Viva la vida #005

works

title

Viva la vida #005

series

Viva la vida – 美しき生命

year

2024

size

W410mm × H410mm(S6)

media

Acrylic on canvas

artist

HYRE

statement

本作品シリーズは、作者自身の胎内記憶に基づく内的経験を起点とし、「言語以前の思考」の可視化を試みるものである。胎内という身体的かつ原初的な環境をモチーフに、「声として発される以前の言葉」──すなわち、認識されながらも発話され得なかった思考の痕跡を、文字的形式を脱構築したかたちで記述している。

ここで用いられる表現は、書道における筆致の身体性と、抽象表現およびオートマティック・ペインティングの手法を横断的に接続するものである。これにより、記号としての文字性を保持しつつも、その意味作用を意図的に逸脱させ、「読むこと」と「見ること」の境界領域に位置する表現を生成している。

また本作の背景には、出生以前から潜在していた存在論的問いがある。すなわち、「生まれてきたことの肯定/否定」という根源的な問いである。この問いは、個人的な家族史と結びつきながら、自己のアイデンティティ形成過程に持続的な影響を与えてきた。2023年に明らかとなった出生時の状況は、この問いが胎児期にまで遡るものであることを示唆し、本シリーズの概念的基盤を補強している。

したがって本作品は、単なる個人的記憶の再現ではなく、「存在の起源における不確定性」と「生の承認」をめぐる実践として位置づけられる。最終的に提示されるのは、自己存在に内在するジレンマからの解放と、それを超えた生の肯定である。

タイトル「Viva la vida」は、「生の賛歌」あるいは「生命への祝福」を意味し、本シリーズ全体の主題を象徴的に示している。

message

以下は、一般の方でも分かりやすい内容で記載しています。

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この作品シリーズは、私自身の胎内にいた頃の記憶をもとに制作しています。テーマは、「言葉になる前の言葉」です。

胎内にいたとき、私は確かに何かを感じ、考えていました。しかし、それは声として発することはできませんでした。本作では、そのような「まだ言葉にならなかった思考」を、あえて読める文字にはせず、形として表現しています。

表現には、書道の筆の動きに加え、抽象表現やオートマティック・ペインティングの手法を取り入れています。文字のようでありながら読めない形にすることで、「読む」と「見る」のあいだにある感覚を引き出そうとしています。

またこの作品の背景には、「自分は生まれてきてよかったのか?」という問いがあります。この感覚は幼い頃から自然にあり、後に母から出生当時の話を聞いたことで、その問いが胎内にいた頃から続いているものだと気づきました。

私はその後、母に「生まれてきてよかった」と伝えました。

この作品は、そうした葛藤を経てたどり着いた「生きることへの肯定」を表現しています。

タイトル「Viva la vida」は、「人生万歳」「生命への賛歌」という意味を持ち、本シリーズのテーマを象徴しています。